魚が「美味しく」なる科学的メカニズム
魚の「うまみ成分」はイノシン酸+グルタミン酸が主なもので、この2つの組み合わせで「うまみの強さ」が決まります。
ATP(アデノシン三リン酸)は、生き物が運動するときに用いられるエネルギー源です。ATPが豊富な状態で残っていると、商品劣化の原因である酸化を遅らせます。そして、ATPは魚のうまみ成分であるイノシン酸になり筋肉内に蓄積されます。
ATPがたくさん残っているように加工することが、美味しく美しい商品にするために極めて大事なことになります。
①生きた魚を丁寧に掬い上げます
②掬った魚に冷水麻酔をします。ATP分解酵素の働きを弱めます
③自動締め機で即殺します。延髄と大静脈を切ります
④直ちに尾部に切れ込みを入れ、エアーで神経締めをします
⑤滅菌冷海水と氷を循環させ、血抜きと急速冷却をします
血合いの変色抑制
当社商品は「まだ発色していない」状態でお客様の手元に届き、真空包装から開封して切り身にした後に発色します。
独自加工によって締め時の糖代謝を抑制し、乳酸の生成を抑えることで、商品の酸化を抑制し、色変わりを長時間抑えることができるようになります。
高ATP加工で美しさを維持
当社の加工では糖代謝は進まず乳酸の生成が抑制されているので、Ph低下は緩やかでありATPも豊富に残っています。
この結果色変わりが抑えられて「美しく」なり、豊富なATPがうま味物質のイノシン酸にかわるので「美味しく」なります。
また当社の最新実験データより、加工6日後(7日目)のフィレを開封しスライスしたものを、空気にさらす状態(温度6度)で26時間経過しても変色は見られませんでした。
HACCP認定
HACCPとは、食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法です。
この手法は 国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格 (コーデックス) 委員会から発表され、各国にその採用を推奨している国際的に認められたものです。
FDA(米国)とEUのHACCPに対応しています。最高水準の衛生管理で食中毒の最大の原因である「感染型食中毒」のリスクを最小化しています。
また高い安全性が認められ、社員食堂、病院食の供給加工場に指定されています。
ぶりの冷凍までの流れや、どのような管理をされているかをご紹介します。
目の前の生簀から取り上げて締め作業する「高鮮度維持」
自動締め機による確実な締めと血抜き
魚の温度は6度以下まで冷やす
高衛生のHACCP対応工場での迅速な加工
最高品質の冷凍
計量機器もX線探知機・金属探知機などは全てITで一体管理されていることによって、情報上の問題の発生リスクは最小化されている。
こちらの写真は、X線探知機・金属探知機です。
毎日作業後に徹底洗浄を行うことで、食品リスクを最小化している。加工機器、床、溝、ウェアなど全て洗浄して殺菌する。
氷水解凍とは
冷凍状態の魚や肉などの品質を最大限に保ちながら解凍する方法です。水の熱伝導率は空気よりも約25倍高いので緩慢解凍よりも早く解凍することができ、かつ氷水は1℃付近の低温を保ち続けるため、食材のうまみと鮮度をキープしながら解凍できます。1度氷水につけてしまえばあとは解凍を待つだけなので、流水解凍よりも水代の節約・流し台のスペースを使わない等のメリットもあります。
熱伝導(率)
物体中の熱が高温部から低温部に移動する現象です。ここでいえば、氷水(約1℃)から冷凍ブリフィレに熱が移動することになります。それを公式を使って数値化したものが熱伝導率です。
STEP.01
発砲箱などに水1:氷2程度の氷水を準備する。よくかき混ぜて3℃以下にする。
STEP.02
冷凍ブリを袋のまま氷水につける。水没させ、時々表面に付いた氷を取る。
STEP.03
そのまま放置する。フィレの場合は4~5時間、ロインの場合は2~3時間ぐらいです。
STEP.04
取り出して使う。その後は鮮魚と同じ扱いとなります。
未開封の保存方法
真空パックのままチルド室で保存する。
開封後の保存方法
(1)氷水解凍したブリをブロックカットしてキッチンペーパーで包み、空気に触れないようにきっちりと巻く。
(2)チルド室で保存する。
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